【本・感想】『窓ぎわのトットちゃん』 黒柳徹子~子どもとの向き合い方がわからない!そんな大人たちへ

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子ども向けの本から大人向けの本まで、いろんなジャンルの本が気になる元書店員のまじょじょまです。

今回は女優 黒柳徹子の大ベストセラー本『窓ぎわのトットちゃん』をご紹介します。

作品情報

作品名 :『窓ぎわのトットちゃん』
作者  :黒柳徹子
出版社 :講談社(単行本・文庫・青い鳥文庫
出版年月:1981年3月

第5回路傍の石賞、ポーランドの文学賞ヤヌシュ・コルチャック賞受賞
日本では800万部のベストセラーに。35以上の言語に翻訳されている。
日本語版の印税で社会福祉法人トット基金を設立。

この作品はこんな方たちにおすすめです♪

こんな人におすすめ

☆子どもたち(小学校低学年~ 読み聞かせも良いと思います!)
☆子どもの育て方に悩んでいる大人たち
☆学校の先生
☆教育に関心のある人
☆学校の在り方に疑問を感じている人
☆徹子さんが気になる人

子どもの頃から実家の本棚にあった、この作品。子どもの頃の私には いわさき ちひろの表紙の絵がちょっと怖くて寂しげで、なんだか好きになれなかったのです。なので1度も手を伸ばすことなくこの年齢に。今見るとどの挿絵も可愛くて愛おしい気持ちがわいてきます。母になったからかしら?

ところが最近、偶然に実家の本棚でこの作品をみつけて手に取ってみたら、なんて面白いんでしょう。抱いていたイメージとはまるで違っておもしろい!ぐいぐい引き込まれてしまったというわけです。

帯にこう書かれていたことも、子育てに絶賛悩み中だった私が興味を惹かれた理由のひとつだったかもしれません。

小学校1年で退学になったトットちゃんと、型破りで、おかしなトモエ学園のめぐりあい。— 個性尊重の自由な教育をめざした校長先生のもとに、ちょぴり「落ちこぼれ」だったトットちゃんたちは―後略

物語の内容

小学1年生になったトットちゃんは学校で毎日問題行動を繰り返していました。

授業中に、ひっきりなしに机のフタを開け閉めしたり、チンドン屋さんに声をかけたり、つばめに大声で話しかけたり、etc・・・。

本人はそうは思っていなくても、周りにとっては(特に大人にとっては)大迷惑。

ついに小学校を退学になってしまいます。

そこで困り果てたトットちゃんのママが、あちこちかけずりまわって、やっと見つけたのが『トモエ学園』だったのです。

トットちゃんはそこで素晴らしい先生や仲間たちと出会い、きらめく時間の中で、人が生きていく上で大切なことを学び、成長していきます。

感想  

この作品はとても衝撃的でした。

こんな進んだ考え方の学校が第二次世界大戦より以前にあっただなんて・・・。

今の時代であっても、幼児教育までは認められても、恐らく小学校以降では眉をひそめられ、理解を得られにくいタイプの学校だと思います。

授業も「遊びや日常の生活の中から学びへとつなげていく」取り組み方で、私の抱く「理想的な学び方」がそこにあるという感じでした。

また大人たちの子どもとのかかわり方や導き方が素晴らしく、自然にやっているように見えるけれど、実際にはどれだけ入念に計画し運営されていたのかしらと驚くばかりのきめ細やかさでした。※当時トモエ学園の校長、小林宗作こばやしそうさくさんは授業の中にリトミックも取り入れていて、それにも驚きでした!

どこまでも子どもに寄り添った応対に、今の学校の問題点だけでなく、私自身の子どもへの向き合い方を振り返るきっかけにもなるエピソードが盛りだくさんでした。※校長先生はもちろん、トットちゃんのママの対応も素晴らしくて感心するばかりでした。もう、反省反省の連続でしたよ。

子育てをする中で心の中に「なんで?!なんでうまくいかないの?」「どうしてわかってくれないの?!」といった問いや葛藤かっとうが日々生まれますよね。

トットちゃんを読んでみると、どうしてそうなってしまうのかがストンとに落ちた感じがしたんです。

これから、どうすれば良いのかの糸口みたいなものが少し見えた気がしています。

でも、悩みのある親たちだけでなく、子どもたちはもちろん、かつて子どもだった皆に読んでほしい1冊です。

クスクス笑ってしまう面白い作品だけれど、それだけじゃない。

今の教育のり方だったり、子どもへの向き合い方だったり、目まぐるしく変わっていく世界情勢だったりに思いをせ、当たり前だと思い込んでいる『今』を立ち止まるきっかけになる作品になるのではないかと思います。

アニメーションで映画化決定!(2023年冬公開予定)→12/8公開決定!!

1981年に『窓ぎわのトットちゃん』が出版されてから、40年の時を経て、アニメーションでの映画化が決定したそうです。

これまでに、かなり多くの映画監督から映画化のお話があったんだそうですよ。

でも徹子さんの中では「本を読んでくれた皆さんの頭の中にある映像の方が、良いものなんじゃないかな?」と思ってずっとお断りしてきていたんだそうです。

でも、40年経ってアニメーションでの映画化のお話が来た時に、アニメーションなら若い人達にも興味をもってもらえるのではないか、と決められたようです。

最近は世界情勢がいろいろ変わってきているので、この映画を観た若い世代の皆さんに「面白かった!」と思ってもらえるといいなと思っています

https://www.instagram.com/tetsukokuroyanagi/?hl=ja

こう仰っていますが、世界情勢が目まぐるしく変わってきていて、どこかトットちゃんだった頃の時代と通じる『きな臭さ』があることも危機感としておありなんじゃないかしら・・・。ついつい深読みしてしまいます。

映画は、な、なんと!今年2023年の冬公開を目指して制作中だそうですよ!

→公開日が決定しました!12/8(金)だそうです!!

徹子さんのインスタグラムのアカウントで昨日7/11に発表されました!

公開されている動画を拝見しましたが、既にもうワクワクがとまりません!

絵も素敵で、心がほんわか温かくなる、とても雰囲気のある世界です。

とっても楽しみ!あなたもぜひ!

作者情報

徹子さんのこれまでの経歴はこちらです。

作者情報

黒柳徹子
女優/ユニセフ親善大使

【出身】
東京 乃木坂

【両親】
黒柳守綱(父) 
NHK交響楽団のコンサートマスター
   
黒柳朝(母)  
自伝がNHK連続テレビ小説にて『チョッちゃん』としてドラマ化

【経歴】
トモエ学園→香蘭女学校→東京音楽大学声楽科→NHK放送劇団入団。

NHK専属のテレビ女優第1号として活躍。その後文学座研究所 ニューヨークのMARY
TARCAI(メリーターサイ)演劇学校などで学ぶ。
   
トーク番組『徹子の部屋』は今年(2023年)で放送から48年目を迎える。
   
ユニセフ親善大使としてアフリカ、アジアなどを訪問。メディアを通して現状報告や募金活動を行ている。

☆パンダ好きで有名。持ち物、お洋服にも可愛いパンダを取り入れていらっしゃいますよ。
 

おすすめ本ー徹子さんに関わるこんな作品もいかがですか?

『窓ぎわのトットちゃん』を読むと、徹子さんのお母さんが子どもの視点を理解できる思考の持ち主であることがわかります。正に成熟した大人という印象。

だからきっと、このお母さんのことも気になる方は多いんじゃないかしら。

そこへ朗報です!

実は徹子さんのお母さんも本を出版されているんです。

しかも昨年(2022年)11月に、彼女の作品の中で新版として装いを新たに出版された作品があるんです。そしてその続編も今年(2023年)4月に発売されています。

『親の七光り』ならぬ『子の七光り』だと自らも仰っていたようですが、とても前向きで自立した活動的な女性だったようです。新版で再度発売された2冊をご紹介しておきますね。

徹子さんの母 黒柳 朝さんの作品

新版 チョっちゃんだってやるわ


新版 チョっちゃんのバァバよ大志をいだけ

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